腎性貧血とは?

腎性貧血とは、慢性腎臓病の患者様に多く見られる貧血の一種です。一般的な貧血は、鉄分摂取不足や月経過多による慢性的な出血などが原因ですが、腎性貧血は腎機能の低下によるエリスロポエチンというホルモンの減少が原因です。
症状は一般的な貧血と同様で、疲労感や息切れ、めまいなどです。放置するとさらなる腎機能の低下も招くため、早期発見や適切な治療が重要となります。
エリスロポエチン
エリスロポエチンは赤血球の生成に関与しているホルモンで、腎機能の低下によりエリスロポエチンの分泌量が減少します。
エリスロポエチンの量が減少すると赤血球の量も不足し、結果的に貧血が引き起こされるのです。
腎性貧血の原因
エリスロポエチンの減少
腎性貧血の主な原因は、エリスロポエチンの量が減少することです。通常、腎臓はエリスロポエチンというホルモンを生成していますが、腎機能の低下に伴いエリスロポエチンの分泌量も減少します。
エリスロポエチンの不足により、骨髄での赤血球生成が十分に行われなくなるため、結果的に体内の赤血球数が減少します。
赤血球は全身へ酸素を届けているため、数が少ないと体内の酸素供給が不足し、貧血の症状が現れるのです。
腎性貧血の検査方法
血液検査で貧血に関する項目をチェック
腎性貧血の検査は主に血液検査で、赤血球数やヘモグロビン数、ヘマトクリット値など貧血に関する項目を調べます。ヘモグロビンは赤血球に含まれるたんぱく質で、主に酸素運搬の役割を担っています。
ヘモグロビンの基準値は医療機関により多少のちがいはありますが、成人男性では13g/dL未満、成人女性では12g/dL未満で貧血と判定されます。腎性貧血の患者様の場合は、11g/dL未満で腎性貧血と診断されることが多いです。
その他の項目
他にも、血清クレアチニン値や推算糸球体濾過量(eGFR)の測定など、腎機能低下の程度を知るうえで重要な項目も調べます。さらに、エリスロポエチンの血中濃度を測定することで、腎臓でのエリスロポエチンの産生能力を評価することもあります。
腎性貧血の治療方法
赤血球造血刺激因子製剤の投与
腎性貧血の治療は、主に赤血球造血刺激因子製剤の投与で、患者様の状態によっては鉄剤の投与も行います。赤血球造血刺激因子製剤は、骨髄での赤血球産生を促進し貧血の改善が期待できる薬剤です。
食事療法や血圧管理、適切な透析治療なども同時に行い、原疾患である慢性腎臓病の管理が重要です。
治療の目標
治療の目標はヘモグロビン値を適切なレベルにすることで、一般的には10~12g/dL程度を目指します。定期的な血液検査で貧血の状態を確認し、必要に応じて治療内容を調整していきます。
腎性貧血の正しい管理は、患者様の生活の質の改善や合併症予防において非常に重要です。当院のスタッフと連携しながら、長期的な視点で治療に取り組みましょう。