人工透析の合併症について

人工透析は、腎不全患者様の生命を支える重要な治療方法ですが、長期的に行うことで様々な合併症が起こる可能性があります。ここでは、主な合併症とその予防法についてご説明します。合併症の早期発見と適切な対策が、より快適な透析生活に繋がります。
主な合併症
心血管系疾患
透析患者様の最も多い死因は心血管系疾患です。動脈硬化が進行しやすく、心不全、狭心症、心筋梗塞などのリスクが高まります。
予防方法
- 適切な血圧管理
- 塩分・水分制限の遵守
- 定期的な運動
- 禁煙 など
感染症
透析患者様は免疫力が低下しているため、感染症にかかりやすくなります。特に、バスキュラーアクセス(シャント)の感染や肺炎に注意が必要です。
予防方法
- 手洗い・うがいの徹底
- シャント部位の清潔保持
- ワクチン接種(インフルエンザ、肺炎球菌など) など
骨・ミネラル代謝異常
カルシウムやリンのバランスが崩れ、骨が弱くなったり、血管の石灰化が進んだりすることがあります。
予防方法
- リンの摂取量を控える(リンは肉、魚、卵、乳製品、豆類、加工食品・インスタント食品などに多く含まれる)
- リン吸着薬の適切な服用
- 活性型ビタミンD製剤の使用 など
高血圧
透析患者様は高血圧になりやすく、適切な管理が必要です。
予防方法
- 塩分・水分制限
- 適切な体重管理
- 必要に応じて降圧薬の服用 など
貧血
腎臓でつくられる造血ホルモン(エリスロポエチン)が不足し、貧血になりやすくなります。
予防方法
- 鉄剤の服用
- エリスロポエチン製剤の使用 など
高リン血症
腎機能の低下によりリンが体内に蓄積し、様々な合併症を引き起こす可能性があります。
予防方法
- リン制限食の実践
- リン吸着薬の適切な服用 など
高カリウム血症
カリウムが体内に蓄積し、心臓のリズム異常などを引き起こす可能性があります。
予防方法
- カリウムの摂取量を控える(カリウムは肉、魚、果物、いも、豆類などに多く含まれる)
- カリウム吸着薬の服用 など
透析アミロイドーシス
長期透析により、β2-ミクログロブリンという物質が体内に蓄積し、関節痛や手根管症候群などを引き起こすことがあります。
予防方法
- 高効率の透析膜の使用
- 十分な透析時間の確保 など
フットケア:足の健康を守る重要なケア
透析患者様は足のトラブルが発生しやすい傾向にあります。血管の石灰化や動脈硬化により、足の血流が低下し、傷が治りにくくなることがあります。また、糖尿病による感覚低下や足の変形も、足の病変リスクを高めます。
大阪市阿倍野区・東住吉区の桃ヶ池クリニックでは、フットケアの資格(糖尿病重症化予防フットケア研修)を持つ看護師が在籍しており、以下のようなフットケアを実施しています。
- 毎月のフットチェック
- 定期的な血流検査
- 保清、保湿、たこ・うおのめのケア
- 巻き爪のケア など
フットケアは合併症予防に極めて重要です。ご不安な点がありましたら、お気軽にスタッフにご相談ください。
シャント管理:エコーによる精密な検査と管理
当院では、シャントを長期間良好に保つため、超音波検査(エコー)を活用しています。
エコー検査の主な利点
- 最適な穿刺位置の特定
- シャント血管の全体的な状態確認
- 血流量の測定
- 狭窄や血栓、石灰化の早期発見 など
定期的なエコー検査により、シャントの不具合を早期に発見し、適切な処置を行うことができます。